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下歯槽神経と上顎洞という言葉をご存知ですか?
「下歯槽神経」は下顎の中にある神経で、皆さん頬や唇を触った時に触られたという感覚があると思います
これはこの神経で感じています
上顎は全部に骨が詰まっているわけではありません
頬の部分(目の下)は骨のない空洞の部分です
そこを「上顎洞」と呼んでいます
今回これをなぜテーマにしたかというと、歯はこの下歯槽神経と上顎洞に近接した位置にあります
後ほど詳しく書きますが、虫歯などを放置しておくとこの二つの部分に障害が起きます
とりわけこの部分に起こった問題は深刻です
ですので歯医者はこの二つの部分について気をつかうわけです
そしてなぜ今回その事を書こうかと思ったかというと、最近歯における問題を放置し同部位に大変なことになっている方が多く来られるからです
ですので、当院に来られる来られないは関係なく、これを読んでいただいた方がその事を知っていただき歯を大切にしていただけたらと思ったからです
さて、話は本題です
①下歯槽神経??
今回はまず「下歯槽神経」について書いてみます
下歯槽神経はこの写真のように下顎の中を走行しています
それも歯によってはそして人によっては歯のかなり近いところを神経が走っています
とりわけ奥歯の方はかなり近くを走っていることが多い、太い神経です
この神経はとりわけ前述のように頬や唇の感覚を担当しています
唇や頬近くを触ると触られたという感覚があると思います
それはその神経が感じているからです
ですので、この神経に何らかの障害が及んだ場合、神経麻痺が起きます
どんな感覚かというと、歯医者に行ったことがある方ならわかるかと思いますが、麻酔をすると一時的に唇とか頬の感覚が眠り(なくなり)ますよね
あの感じです
そして症状が強い場合、その感覚は一生戻らないこともあります
この下歯槽神経ですが、前歯から奥歯にかけて上に上がって走っています
ですので個人差はありますが、奥歯にいけばいくほど歯と神経は近接するわけです
お口の中はとても小さく、狭いところです
ですので、離れていたとしても奥歯であれば数ミリです
何センチも離れているということはまずありません
②下歯槽神経に障害が起こると??
ですのでこの神経を傷つけたり、この神経にばい菌が入ってしまうと神経麻痺が起こります
それくらいお口の中は繊細なところです
そしてこの神経麻痺ですが、最近多いのがいわゆる根尖病巣ができ、それを放置しておいたばかりに神経麻痺が起きたケースです
根尖病巣についても少し解説します
歯の中には図のように歯髄といういわゆる神経が入った管があります
神経は重要な働きをしています
それは歯が痛いなどを感じている他にばい菌がはいってこようとしたときに感じることなどでそれを阻止する働きをしています
そして虫歯菌などはまずどんどん歯を溶かし、神経の中に入り込みます
そうするとしみたり強い痛みが生じます
その段階ではばい菌は完全に神経まで入ったことになるので、僕たち歯科医師はばい菌に汚染された神経を取り除き痛みがなくなるようにします
これを抜髄(神経の治療)と僕たちは呼んでいます
神経の治療を終えた歯にはばい菌が入ってこないようにゴムのようなもの(根充剤)を詰めます
しかし、これは元々あった神経とは違う、所詮ゴムです
なので神経をとった歯には再度ばい菌が入りやすくなります
神経をとった歯を不潔にしておくと虫歯の再発が起こりばい菌が歯の中にどんどん入ってきます
この時にはもう神経はないので当然痛いとか感じないためどんどん入ってきます
そしてこのばい菌は歯の中を汚染し、そしてそれではおさまらず今度は歯の下の顎の骨(歯槽骨)を溶かし膿をため、そしてやがて神経の大元、大きな神経に感染し麻痺を引き起こしたり、お顔がかわるくらい大きな腫れを生み出したり、寝れないくらい強い痛みを出すわけです
この段階に来ると本当に大変なことになっています
そしてそれらは前述のとおり大抵ほぼ無症状で進んでいきます
(場合によっては噛んでひびくとか痛いと感じられる方もいます。)
ですので多くの方々は突然急激な痛みに悩まされたり、ある人によっては感覚がなくなって慌てて歯医者に来るわけです
といっても、神経麻痺までいくケースは本来は稀です
なぜなら大概の場合は、定期検診などで歯医者が見つけて指摘をさせていただくからです
そしてこれは割と早い段階でもレントゲン写真やCTなどを見るとほとんどが見つけられるものだからです
そして、現在東京や札幌などの都市部ではかなり多くの方々が定期的に歯医者に行って予防を受けられているので未然に防げています
しかし、以前も書きましたがここ十勝では慢性的な歯科衛生士さん不足やマンパワー不足、歯科医師不足などから適正な定期検診ができる歯科医院は決して多くはありません
またこれは私の私見ですが十勝ではそういうものを早めに見つけ対応できている歯科医院が決して多くはありません
ですので都会の歯科医師の先生がみたらびっくりするくらい進んでしまっている方も大勢いらっしゃいます
そのためそのような症状が出てから慌てて歯医者に来られる方が大勢います
ですがそうなってからでは後の祭り
とりわけこの神経麻痺まで行ってしまったケースは、その原因を除去(抜歯など)をしてもほとんどのケースで回復はみられません(ここはあくまで自分の臨床実感です)
当院は現在十勝で歯で大変になったら頼る歯科医院として多くの大変なことになってしまった方々にきていただいています
ですので当院に初診で来られた方でも何人かそのような状況になってから来られた方がいらっしゃいます
ですが、麻痺まで出てしまったケースはほぼ完全回復(感覚が戻る)していません
③ほっといたらだめ‼️
またこういうケースもあります
当院ではそういうものを見つけた場合、ゆっくりお時間をいただきレントゲンやCTなどで状況を確認していただき、状況をご説明させていただき対応策を提示させていただきます
ですがこの段階では症状がなく進んでいるため、その方々の中にはごく少数ですが、自分は大丈夫、自分にはそのようなことは起きないだろうと考えられ来院されなくなる方がいらっしゃいます
先日もいらっしゃいました汗
少し前にそのようなお話をさせていただいたところ来院が途絶えてしまい、やがて麻痺が起こり慌てて再来院された方です
結果、感覚は戻りませんでした
その気持ちはわからなくもありません
僕自身もそうでした
歯医者になるまではまさか歯でそんな大変なことが起きるなんて思ってもいませんでした
(というか前述のように普通はその前に対応されるのでまず起きない。本来は起きないでほしいことです)
ですが勉強し、こうやって十勝の歯医者の拠り所みたいなポジションでやっているとこの怖さを本当に実感しました
さて今回は「下歯槽神経」について書いてみました
なぜ書いたかというと、十勝ではそういう方が大変多く、これをよんでいただいた方がこの事を知り早めに歯科を受診し大変なことにならないでいただきたいという想いからです
また僕の方からもお話しさせていただくのですがいかんせんこの段階ではほぼ無症状なため患者さんもそこまで重大なことが起きてると考えらていなく前述のようになってしまってから戻ってこられる方が増えています
ぜひ参考までに一読していただけると幸いです
ちなみにそのことについて書いてある文献を調べて少し簡潔にまとめてみました
下記に記載しておきます
参考までにそちらも読んでいただけると嬉しいです
お口の中のお困りごとはどのような些細なことでも構いません
お気軽にご相談ください
今度は同じく歯科医師が気を使う上顎洞について書いてみようと思います
お口の中のお悩みごとはどんな些細なことでも構いません
お気軽にご相談ください
【根尖病巣からの下歯槽神経麻痺】
下顎の大きな根尖病巣(特に下顎大臼歯部)が長期間放置されると、病変が下歯槽神経管に近接・接触・圧迫することで、下歯槽神経の障害を生じ、下唇・オトガイ部の知覚鈍麻、しびれ、異常知覚などが出ることがある
典型的な機序
- 根尖性歯周炎・歯根嚢胞などが拡大
- 病変が下歯槽神経管に接近する
- 炎症による浮腫・圧迫、あるいは骨吸収によって神経管との距離がなくなる
- 下歯槽神経が障害される
- 同側の下唇~オトガイ部の知覚異常が出現
特に重要なのは、「病巣が大きい=必ず麻痺する」わけではないというわけではない。神経管との位置関係が重要。
また、歯性感染による神経障害では、単純な圧迫だけでなく、炎症性サイトカインや感染の波及による神経障害も関与すると考えられています。
臨床的にはかなり注意が必要
もしCTで、
- 根尖病巣が下歯槽神経管に接している
- 神経管の皮質骨が消失している
- 神経管が病変によって偏位している
- 病変が下顎管を取り囲むように見える
といった所見があれば、知覚障害の原因になり得る






