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前歯のインプラントの話

2024年6月16日

先週、先々週と前歯に問題を抱えインプラント治療を希望される患者さんが当院に多くいらっしゃいました。

そこで患者さんにお時間をいただき今後の治療方針や治療の選択肢、そして仕上がりの予想などをご提案、相談させていただきながら話を詰めていきました。

 

実際インプラント治療においては、奥歯の治療よりも前歯の治療の方がはるかに難しいです。

インプラント治療をやる先生に

「前歯と奥歯どっちが難しいですか?」

と聞いてみてください

経験豊富な先生なら絶対「前歯」と答えるはずです

 

前歯のインプラントは経験豊富な歯科医師でなければやるべきではありません

ここは僕たちのような手術件数が多い歯科医師とそうでない歯科医師では結果にはっきり差が出ます

(インプラント治療自体が経験がものをいう治療ですが)

 

その理由としては以下のことがあげられます

🔳前歯のインプラントが難しい理由

①奥歯に比べて骨が薄い

前歯の骨は奥歯に比べてはるかに薄いです。

インプラントは骨に支えられる治療方法ですので当然、骨の薄いところにインプラントを入れると言う事は、奥歯の厚いところに入れるよりもはるかに難しいことが多いです

 

 

②元々歯があった方向と異なる方向に入れなくてはいけない

インプラントは歯のなくなったところにそのまま入れればいいと思ってる方々も多くいらっしゃいます

実際、歯科医師の先生でもそう思ってる先生がほとんどです

ですが前歯は違います

元々、前歯の歯を支えている頬(唇)側の骨は薄いです

なので抜いたところにそのまま入れると骨が薄く見た目が悪くなってしまいます

そのためやや内側を狙って入れます

しかしあまり内側に入れると今度は噛み合わせが難しくなります

と、ここまで書きましたが、多分これを歯科医師の先生が読んでも何を言ってるかもわからない先生も多くいらっしゃると思います

そのため術前のCTでの分析計画がより大切になります

 

つまり骨が薄いという事はそこに対してしっかりとした位置にインプラントを入れること。

そしてまた骨が減りにくくするための対応もしておかないと数年後にインプラントの周りの骨が減ってしまいます。

これが奥歯にはない難しさです

 

③見た目が重要であるという事

 

もちろん奥間もそうですが、前歯に関してはより「見た目」が重要になります。

見た目と言っても二通りのことがあります。

まずは入れたときの見た目です。

そしてもう一つは数年後の見た目です。

 

ともにそれらをしっかりとサポートしてくれるのは、インプラント周囲の顎の骨であり、顎の骨が薄いとこに入れると仕上がりの状態が悪くなったり、また数年後その薄い骨が溶けてしまい見た目が見っともなくなってしまいます。

 

これは奥歯よりも顕著に現れてきます。

そのため前歯のインプラント手術においては、どのポジション(位置)にインプラントを入れるのか、またインプラントの周りの骨が溶けないような対応していくと言うことが大切になります

 

④力の方向

奥歯は主にインプラントに対し上からほぼまっすぐに力がかかります。

しかし、前歯のインプラントに関しては横からの力を強く受けます。

ご自身の歯で見てみてください

前歯は大体の方が横から力がかかっているはずです

 

歯もそうですし、インプラントそうですが、お口の中の力と言うのは垂直的つまり上からかかる力に対しては強いですが、横からかかる力に関しては弱い部分があります。

そのため横から無理な力がかかっていると、歯やインプラントを支える周囲の骨(歯槽骨)の歯茎や骨が溶けてしまったりすることがあります。

そういった観点から前歯のインプラントっていうのは、比較的奥歯に比べて難しい部分があります。

 

では前歯のインプラントうまく成功させるためにはどうしたらいいのかということですがこれは次のブログで書いてみようと思います

 

お口の中のお悩み事はどのような些細なことでも構いません

お気軽にご相談ください

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