当院の特徴の1つに「難しい親知らずの抜歯」ができるというのがあります。
一昨日の話ですが、手術日として午後から難しい親知らずの抜歯など難しい口腔ときに外科的手術を多くやりました。
この写真はその時に抜いた親知らずのレントゲン写真です
どれもよその歯医者さんでは抜けない。入院と言われ放置されていて腫れたりしてきたものとかです
これらを合わせて30分3本抜き終わりました
(1本あたりにかかる時間は数分です)
また翌日皆さんに消毒で来院していただきましたが、全員が翌日はもう「痛みがない」
(これは少し出来過ぎですが)と言っていただき大変喜んでいただいていました
比較的難しいものばかりだったので無事終わって安心しました
そこで今回は親知らずについて少し書こうと思います
まず「親知らず」の名前の由来ですが、嘘か本当か分かりませんがだいぶ大人になってから生えてくる
「親が知らない年齢になってから生えてくる」ということが由来で「親知らず」というとか・・・
そしてこの親知らずですが歯科医療従事者は「8番」と呼びます
その理由は、一番真ん中の歯を一番と呼ぶのですが、前から1、2、3と数えていって8番目にあるためです
この8番「親知らず」ですが何本あるかは個人差があります
4本~0本というのが一般的です
そしてこの親知らずは他の歯と比較して抜歯をすることが難しいケースが多いのが特徴です
なぜなら一番奥の狭いところから最後に生えてくるのでスペースが狭く横になっていたり埋まっていたりということがあるからです
とりわけいっぱい埋まってたりいっぱい倒れているのは難しい傾向があります
また親知らずの周囲の顎の骨(歯槽骨)の硬さなどによっても難易度は変わってきます
男性の方で普段からものすごく噛まれる方の骨は硬く抜きづらい場合が多いです
と、親知らずと言っても抜歯の難易度はお持ちの親知らずのよって異なります
そして歯科医師向けの話になりますが、「この親知らずを抜く」のはちょっとしたコツがあります
これは抜ける先生にしかわからないものではあるんですが、ちょっとしたコツを掴むとそこまで実そこまで難しいものはありません。
ですがそのコツを使うまでには、幾多の試練を取り越えなくてはいけなく(笑)、大体の先生は抜きません(抜けません)
個人的には歯科医師たるもの親知らずはよっぽど難しいものを除いて抜けなくてはいけないものだと思っています
そうでなければ患者さんがいちいち大学病院や総合病院で入院して全身麻酔などでやらなくてはいけなくなるので大変です
なので僕自身は親知らずに関しては最低限身につけていなくてはいけない技術と考えていますが、勤務医時代や大学在籍時代に抜かせてもらえる経験ができる機関はなかなかなく、抜ける先生は本当にごく一部というのが現状です
そもそもほとんどの先生が大学病院の口腔外科などに送るので、自分たちがそういう技術を持っていないため何かあっても助けてあげられないので、勤務医の先生にも抜かせません
とりわけ昔の先生はなんでもやってみようでしたが現在は社会全般色々なことにうるさくなってきているので「(横になっている)親知らずを抜歯した経験のある先生やそのような技術を持ってる先生」は本当に少なくなっています
そしてそこまでは仕方ないこととしても、実際抜けないのであれば僕たちできる先生に紹介してもらえるのと良いのですが、そうではなく大概の場合放置され大変なことになってから患者さんが気づき転院されてくることがほとんどです
本来は歯科医療も歯医者同士の横のつながりがあってできないことは紹介するという体制を組めるといいのですがなかなかそうはならないのが歯科業界の悲しい現状です。
さてこの親知らずを抜くか抜かないかですがここは私見にもなりますが抜く親知らずは下記のものです
①虫歯になっている
②汚れがたまりやすく隣の大切な歯を虫歯にしてくる
③汚れが溜まり腫れる
④歯茎や頬に刺さってくる
⑤お身体のことを考えた時に今後抜く必要が出てくる可能性が高い
⑥矯正治療をする際に邪魔になっている
などなどです
上記の条件に当てはまらず(思いついたものを羅列したので抜けてるかも??)まっすぐ生えて咬んでいる。つまりお口の中で役に立ってるものは綺麗にお掃除して残した方があいいと僕は考えています
ですが①~⑥に当てはまる場合は抜いた方がいいです
目次
①虫歯になっている
親知らずの中には横になっていたり奥だったりで虫歯治療が困難または治療しても磨けず虫歯の再発が起こることが予想される場合は抜いた方がいいです
また虫歯が進むと抜く際に掴むところがなくなり難易度が上がります
そうすると抜いた後の痛みも倍増します
なので早めに抜いた方がいいいです
②汚れがたまりやすく隣の大切な歯を虫歯にしてくる
これは多いです
親知らずのせいで隣の7番が虫歯になり、7番の神経を取ったり抜いたりするケースがあります
7番は大切な歯です
なのでこうなりそうな時は抜くべきです
③汚れが溜まり腫れる
これは②と同じです
汚れが溜まり隣の歯に影響を及ぼしたり、周囲の顎の骨が溶けていってる場合は抜くべきです
④歯茎や頬に刺さってくる
これもたまにあります
親知らずは変な方向に生えてるくるので歯茎や頬を傷つけることがあります
それを放置しておくと周囲の歯茎が角化(白くなってくる)し、ひどい場合は「癌」になったりすることもあるそうです
そのような場合は抜くべきです
⑤お身体のことを考えた時に今後抜く必要が出てくる可能性が高い
これはまた別な機会で書こうと思うのですが、お身体の方で骨粗鬆症や癌治療などで薬を使ったり放射線を当てたりなどをする際、どんなに腫れても抜歯などがしづらくなり(できなくなる)ケースがあります
そのようなことが考えられる場合はあらかじめ抜く必要があります
(これは親知らずだけではなく歯周病のひどい歯とかも同じです)
このことをしっかり勉強されてるお医者様だとあらかじめ僕たちに紹介してくださる先生もいらっしゃいます
⑥矯正治療をする際に邪魔になっている
親知らずが他の歯を押してくるという考え方があります
大学や勉強会ごとに考え方は違うので絶対とはいえません
(ちなみに僕の大学は「押してくる派」ですが僕は疑問視していますがわからないのが現状です)
ただ奥に歯を動かし歯を並べるスペース確保をしようとした時に親知らずが邪魔をすることはあります
その場合は抜いた方がいいです
基本的には「役に立っていたら抜かない。邪魔だったら抜く」が親知らずの抜く基準と思います
そしてこの親知らずの需要はどんどん増えています
なぜなら今の方々はどんどお顔(顎)が小さくなっていてまっすぐ生えてくることが少なくなってきているからです
そしてこれを抜ける先生方がどんどんお年を召され抜けなくなってきてるからです
ですが入院抜歯は大変です
お仕事や学業にも影響を及ぼします
また全身麻酔代金や入院費用もかかります
なので当院がそういう方々のお役に立てるようこれからも必要であればそのスキルを活かし親知らずを抜いていこうと思っています
お口の中のお困りごとはどんな些細なことでも構いません
お気軽にご相談ください