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歯科保険診療の終焉??〜保険の白い歯から考える白い歯から考える

2025年11月30日

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これはとある先生方のSNSの書き込みです

最近SNSを見ているとこのようなことを書いている歯科医師の先生が大勢いらっしゃいます

(この中には十勝の先生方もいらっしゃいます)

①あがる歯科材料費

内容としては保険で銀歯を入れると赤字になるのでやってられないという内容です

日本の歯医者の保険診療では「金銀パラジウム合金」という金属を使います

私達歯科医師は、保険治療をやるためには歯科医師免許と合わせてこの「保険医」の資格を持っていなくてはいけなく、また国が決めた決まり(保険のルール)に従ってやらなければいけません

その中には様々な保険のルールがあり、例えば治療で使う材料や、治療ごとの料金も国が決めています

その中で昨今問題になっているのは、「材料費の高騰に対し、国が決めている料金が見合わなくなってきている」ということです

最近はいっぱいニュースになってるので皆さんも薄々お気付きかと思いますが、日本の医療費は底をついてきています

これは保険医療に携わっているとすごく感じます

そこで以前は金属代金が上がると国の調整が入り治療費が上がっていたのですが、金属代金が急上昇しているのでそれに対し国が出せるお金が追いつかなくなってきています

2、3年前この金銀パラジウム合金(通称金パラ)は30グラムで5万円程度だったものが今では13万以上

なんと3倍近くにも跳ね上がっています

他の今まで用いていた保険の材料も同様です

ですので国は完全に諦めた感じで全然材料代金に価格を合わせてもらえなくなってきました涙

②現在の保険治療は?

そうすると保険でしっかりとした(歯を長持ちさせる)治療をしようとするとやればやるほど赤字になるという状況になってきてるわけです

そこで国はどうしているかというと金属が高いので安価なわかりやすい表現をすると「体に悪い白い歯」をどんどん保険に導入し始めています

他の保険材料も同じです

とりわけ被せる歯においてがひどく、一例としてCAD CAM冠(以下CAD冠)やPE EK冠という材料があります

これらは1患者さんからすると保険で白い歯が入れられるようになったと喜ばれるようですがそこには大きな落とし穴があります

以下が保険の白い歯の弱点です

あくまで読んでいただける方々は歯科経験者ではないのでその方々に合わせわかりやすく書いています

専門家からするとそうじゃないだろうということもあるかと思いますがご理解ください

 

③保険診療の白い歯?

 

⚫️保険の白い歯の弱点

①弱い

保険の材料は少し硬めのプラスチックみたいな材料です

ですので壊れやすかったり、すり減りやすいです

なのでこれらを入れるためには少し入れる冠を厚めに作る必要があり、歯をいっぱい削る必要があります

またすり減るので経年的に噛み合わせが変わってきて噛み合わせの不調和や顎の不調和を引き起こしやすいです

一杯噛んでもらおう、なんでも噛んでもらおうと思うととりわけその問題に直面します

そして、保険のめんどくさいルールですが保険の冠には2年間ルールがあります

一度歯を入れると同じ歯の治療は2年間は保険がきかないというルールです

入れてすり減ってきたからすぐ交換しましょうとはいかないわけです

つまり歯科医師側に国が求めてるのは2年間持つ治療をしてくださいということ。

反対に2年間持つか持たないかわからないような歯を残したり、そのようなところに被せたりしないでくださいということを求められています

これは結構厳しいルールです

後で書きますがでも矛盾してると思うんですよね・・・・

②外れやすい

様々な品種改良もされてきましたが、材質的にまだまだこれを完全にくっつけるセメントはないように思われます

なので入れる歯の状態次第では「外れやすい」ということもあります

③見た目があまり良くない

見た目に関しても確かに白い歯なので銀歯よりはいいのかもしれませんが、専門家から見ると見た目が良くありません

日常茶飯事的にあることですが、例えば他の歯医者さんから転院してきた方の口の中にそれらの歯が入っている際、当院の衛生士さんがそれを見て「これ仮歯ですよね」という判断をしてくることもあります

あくまで専門家から見たらの話ですが・・、でもCAD冠はまだしも、金属代の高騰から一昨年くらい前に急に保険に入った白い歯 PEEK冠に関しては酷いものです

北海道でこの分野で最も偉いT先生がある勉強会で

「見てください。こんな酷い色をしてるはです。これでは白くても変な白さなので反対に悪目立ちします。患者さんに入れたらかわいそうです。皆さん、絶対に入れないでください」

と講義されてました

確かに・・・という感じです

 

④さらに・・・

そこに加えこの前技工士さんと話していたのですが、なんと金属代金の高騰により来年からCAD冠のブリッジも保険適応になるという話がでているとのこと

1本で入れてもあんなにすり減ったりしているものがブリッシに・・・

2年ルールのもとで果たしてそのうちのどれだけのものが2年持つのでしょうか?

きっと壊れてきたり、すり減って顎が痛くなったり・・・そしてそれらをいれてもたせるために一杯歯を削らなきゃいけなくなったり・・・

これはあくまで僕の私見ですが、国は保険診療が破綻してきているけど、保険診療をなくすわけにはいかないので、とりあえず安いものでも入れさせて2年保てばラッキー。保たなければあとは患者さんに10割負担(何十万もかけて)で入れさせよう。

とりあえず国民に保険は無くなってないよと思わせる。白い歯が入ってよかったねと思わせるみたいな思惑が見え隠れしているように思えてなりません

本当にちゃんとしているのならもっと良い材料の白い歯を保険に入れてくれるはずです(というと怒られちゃいますが・・・)

 

じゃあ、1本何万もする保険外の歯を一般の方々がそうやすやすと入れることはできるのか?

それは難しいと思います

僕もそうです

確かに保険外の歯は素晴らしいです

でも全ての方がそれをできるわけではありません

経済的に入れられる方はその方が良いのでしょうが、そういう方ばかりではありません

海外のようにお金持ちしかお口の中を健康にできない・・はなんだか非常に悲しいことだと思います

そして悲しいことに、歯科界(多くの歯医者さん)はその方向に舵を切り始めています

先日もとある歯医者さんから転院してきた方でこんなケースがありました

数ヶ月前に奥歯にCAD冠を入れたがすぐ壊れた

そこでその先生に言いに行ったところ、「2年間は治療できないので歯のない状態で我慢するか保険外で歯を入れてください」と言われた

ちなみにそこでは入れる前に材料の話や2年間の話はいっさい聞かされていなかったとのこと・・・

今の歯科の現状を象徴するようなケースです

 

⑤当院では・・

では僕(当院)はどう考えているか?

これは僕の考えですが決めるのは「患者さん自身」であるべきと思います

CAD冠が全て悪いわけではありません

僕も良く使います(使える条件の揃った歯には)

ですが、その材質の話やルールの説明をします

そしてとりわけ噛み合わせが悪かったり、咬合力(噛む力)が強いなどで割れやすそうな方にはよりそういう話をします

そしてその上で患者さんが一番いいと思った材料で治療を進めます

なので例え赤字でも患者さんが割れたりとれたりすることを懸念し、そして保険の銀歯を望まれる場合は保険の銀歯でも当院では入れます

保険の白い歯がいいという場合は保険の白い歯を入れます

保険外の白い歯がいいという場合はそういう治療をします

つまりは僕自身は患者さんが後悔しない方法がベストな治療でありそれを患者さんにちゃんとお伝えして決めてもらうべきだと僕は思っています

ある先生に言われました

「先生は変わり者だね。なんでわざわざ赤字になる方法もちゃんと時間をかけて説明するの?時間が無駄でしょ」と

確かにその通りです

これを説明するのに要する時間はすごくかかります

本来なら保険でもっといい材料を使え、そんな説明をすることもなく「この保険の白いは最高なのでこれがいいと思います」と自信を持って進められたらいいのですが汗

ですが先ほどの転院患者さんのような想いを当院ではさせたくないという想いが根底にあります

そして今回なぜこれを書いたかというと一つの理由には、

これを読んでくださった方々が当院に受診の際

「これ読んだからわかってるよ。じゃあ、保険の白い歯でとか・・金属で」

とかスムーズに選択していただくと僕たちはすごく助かるからというのもあります

これはずっと書こうか考えていた記事です

ですが、CAD冠のブリッジが適応になるなんて話が出てきたら書いておかなきゃなあと思いました

このSNSの先生だけではなく、僕の友人の都会で開業している先生の中にはそんな状況なので保険医を返上し、保険診療の患者さんをみないことにしている先生も多くいます

十勝でも生保の患者さんはみないという先生もいます

(ちなみに僕の1番の友人も生保はみないという方針です)

そしてどんどん増えています

僕は悲しいなあって思います

ナイチンゲールは目の前の患者さんを助けようと思った時にお金があるかないかを考えたでしょうか?

僕はそんな偉くはないけど、自分自身がなんで歯医者になったのかって考えたら、自分の仕事で誰かに貢献したい、そしてそのことで認められたいという想いだったように思います

 

もちろんお金も大事だけど、何より僕の医院に来ていただいて良かったって思ってもらいたいし、もっと大きなことを言えば「歯医者ってすごい」って思ってもらいたいという想いが根底にあります

世の中にはどうも歯医者は金儲けと思われてる風潮もあり悲しいです

歯医者は医者です

そのプライドを持って仕事をしていきたいし、それができなくなったら辞める時だと僕は思います

先日そんな話をある先生にしたら、

「他の先生方は食べてくのに必死の中、自分のやりたい診療ができてるって幸せですね」と言われました

その通りだと思います

そういう環境においてもらうため自分のことをサポートしてくれている妻やスタッフさん。そして当院のことを気に入って来ていただける患者さんには大変感謝しています

なので保険外診療を希望される方には最高の技術と最高の材料でベストな治療を提供したいし、保険診療においても最高の技術で保険で使える材料でできるベストをしたいと思っています

知り合いの金属関係の仕事をやってる方に聞くと金含め金属はまだまだ高騰するとのこと

このままでは本当に日本の保険歯科診療は終焉を迎えてしまうのではと危惧しています

当院では保険・保険外に関わらずその方その方が望まれた治療法の中でベストな治療をしていきたいと思っています

 

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