今週水曜日ついにユニット(診療台)増設が完了しました
今年初めから計画し、工事をしていたこのユニット増設ですが肝心のユニットが半導体不足から大幅に遅れ、今週の設置になりました
その間患者さんにはご迷惑をお掛けした部分もあろうかと思います
この場をお借りしてお詫び申し上げます
また、幕別の工事業者様には、僕の「休診にして患者さんに迷惑をかけたくない」というわがままを聞いていただき、主に休みの日に的確に工事を進めていただき大変助かりました
ありがとうございました
目次
今回のユニット増設の目的はいくつかあります
①できるだけ早く治るように
ユニット、スタッフさんの多い当院では他院に比較し同じ治療をしようとしたとき、大体半分くらいの期間で治せます
さらに今回のユニットを増やすことでより治療期間の短縮化を目指しています
②患者さんの更なる待ち時間の軽減
ほとんど待ち時間のない当院の診療体制ですが、目指しているところは「待ち時間0」です
③患者さんとより密なコミュニケーションをとる時間の確保ができるように
当院はインプラントなど最先端治療をかなり行っています
ですが当院が一番力を入れているのは抜かない、削らない「予防治療」です
そのため十勝では珍しく、大変多くの歯科衛生士さんに在籍していただき、昨年は「98%抜いたり削ったりしていない」という実績を出しました
予防治療で大切なのは、クリーニング技術もそうですが、その方のお口の中の状態をしっかり捉え修正していく「コミュニケーション」です
そこをさらに充実させたく今回の増設を行なっています
④今後の国が目指す医療体制への対応
先週、幕別役場の方に当院に来ていただき打ち合わせをさせていただいたのですが(また後ほど詳しくお話ししますが)
現在国は医療費の削減を行っています
その中で行っている一つが「歯科医院を減らすこと」です
そのため色々なことをやっています
例えば
①手書きカルテの廃止
手書きカルテで慣れた高齢の先生の中にはレセプトコンピュータ(パソコン)に切り替える費用や難しさで辞められた先生もいらっしゃるようです
②か強診など施設基準の設置
施設基準を満たした歯医者は優遇され、満たしていない歯医者は運営していくのが厳しい状況を作っています
ですが、このか強診という施設基準は医療の中でも取得するのが最も難しい施設基準と言われているくらいとるのは大変難しく(来年以降はさらに難しくなるという話もあります)、全体の10%程度。十勝では数件しか取れていないのが現状です
つまり「小さな歯医者」からどんどん減らしていこうという考えです
しかし、ここで問題なのは都会も地方も同じ基準で考えられているということです
世の中では「歯科医院がコンビニより多い」と言われています
ですが、これは「都会」の話です。
十勝のような地方は歯科医院不足です
それもこの先歯科医師の高齢化などから5年後くらいにはとんでもない歯科医院不足が起こります
ですが国はあくまで全国の歯科医院の数のみ把握し、歯医者を減らそうとしています
最新機材を入れられない歯医者
衛生士さんがいない歯医者
最新技術がない歯医者 などなどはどんどん淘汰されていきます
都会はそれでも良いと思いますが、田舎は一軒なくなっただけでも大変です
ですが前述のようにこういう政策は都会の歯医者も田舎の歯医者も同じ基準で考えられます
ここは問題だと思います
しかし、そんなことを田舎の一歯医者が言っていてもどうにもなりません
なので田舎の一歯科医院が考えられること、できることは、最終的には各地域に大きな歯科医院が一軒あり、そこに様々な専門歯科医師が在籍し、そこでお子さんの治療から訪問診療まで全てを担う体制を作ること。
そしてその歯科医院がか強診や様々な施設基準を持っていること。
つまり歯科医院の総合病院化。
これが地方の歯医者難民を多く作らない唯一の方法ではないかと考えます
そしてそれは当院のようなか強診を取得できた歯科医院が率先してやっていかなければいけない。
それが十勝で生まれ育った十勝への恩返しかなあと考えています
そういう意味も含め今回当院はスタッフさん増員、ユニット増設を行いました
十勝の歯科医師の平均年齢は60歳を超えました
このままでは昔のように歯が痛い、1ヶ月待ちです。の時代がきてしまいます
将来お口の中の問題で困らないためには、来る歯医者不足の時代の前にしっかり治し、いつまでも美味しく食べられるお口の中を手に入れておくことは必須だと思います
お口の中のどんな些細なことでも構いません
お気軽にご相談ください