セメントリテインとスクリューリテインという言葉をご存知でしょうか?
これはインプラントに用いる用語なのですが
インプラントの根(フィクスチャー)と上の土台や冠(上部構造)をくっつける止め方には2通りあります
それがセメントリテインとスクリューリテインです
リテインとはくっつけるという意味です
①セメントリテイン
セメントリテインというのは、根と上をセメントで止めるやり方
②スクリューリテイン
スクリューリテインはネジで止めるやり方です
それぞれにメリットデメリットがあるのですが、現在学会などでは基本的にスクリューリテインで止めることを強く推奨しています
その理由にインプラントの歯周病(インプラント周囲炎)を防ぐということが第一にあります
これは保険の冠などを止める場合もそうなのですが、セメントでくっつけた後余分なセメントを取り除く際全て完璧に取り除くということは不可能です
ですので多かれ少なかれ若干残ってしまう場合があります
そしてそれらは当然異物なので多く残っていると歯周病の原因になります
インプラントも他の歯同様その「セメントの残り」が歯周病を起こします
スクリューリテイン(ねじ止め)の場合その心配は全くありません
なぜならネジで止めるためセメントは一切使わないからです
ですのでインプラント学会ではスクリューリテインを推奨しているわけです
ところがスクリューリテインの欠点の一つに手術が難しい(腕が必要)ということがあります
少しでも本来の位置から曲がって手術をしてしまうとスクリューリテインには絶対にできません
そのためか十勝のインプラントを見ているとほとんどの先生がセメントリテインでやっています
これはいかがなものかなあと思います
患者さんに不利益のあるデメリットならどちらかを選択していくべきですが、術者(歯科医師側)のデメリットであれば、それをできるだけの腕を持った人しかやってはいけないのではないかと思うわけです
ちなみにステントというものを使ってという方法もありますが、これはまた別な機会で解説をしますが、これにもいい点と悪い点があります
結局のところ患者さんの顎の骨が少なくセメントリテインにしかできないという場合(骨造成という方法もありますがそれはまた後日お話しします)を除き、ちゃんとスクリューリテインにできない先生はやるべきではないと僕は思います
当院の手術ケースのほぼ全てがスクリューリテインです
せっかく患者さんも歯科医師も苦労して食べられるようになったのであればそれが永く保ってほしいというのが僕の思いです
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