一昨日もサイナスリフトという手術を行いました。
(サイナスリフトについて知りたい方はこの動画がおすすめです)
これはインプラント手術の一つですが、顎の骨が少なくインプラントができない状況の方に骨を増やしインプラントを行う手術です。
非常に難しい治療でこのサイナスリフトができる先生はあまりいません。
実際にはこのように骨が少ない場合十勝ではほとんどの方が入れ歯で柔らかいもの(お肉、漬物などは厳しいです)を食べることを勧められています
またはショートインプラントと言う短いインプラント(インプラントは基本的には長さが10㎜以上を入れることを推奨されていますが、ショートインプラントは8㎜とか6㎜とか短いインプラントです。)入れてしまう先生がほとんどです。
しかし、入れ歯は硬いものを食べるにはそぐわなかったりバネをかけてる歯や顎の骨に負担をかけます
また、ショートインプラントはその時はいいのですがながい年数持たないことが多いです。
確かに最近ショートインプラントも良くなってきたという論文も出てきていますが、経過が短かったりとまだ信頼できるものではありません
(ここはあくまで私見です)
上の奥歯の場合このサイナスリフト手術をしてインプラント手術をしなくてはいけないケースも多くあります
(歯を抜いてあまり時間が経っていない場合必要ないことが多いです)
ちなみに今週はこのサイナスリフトという手術が2件ありました。
(そのほかにこれより少し簡単なソケットリフトが2件ありました)
ともに他院ではインプラントができない。柔らかいものを食べて我慢してくださいと言われた比較的若い方です
インプラントが全てではないと思います。
ですが、入れ歯で食べられない状況を食べられるようにするためにはインプラントでなくてはいけないケースが多いのも現状です
そして歯を抜いてからだいぶ経ってしまっているとか悪い歯をながく残してしまったというケースにはサイナスリフト手術が必要になってしまいます
当院ではそのサイナスリフト手術をかなりの数やってます
先日東京の先生と話をさせていただき手術ケースをお見せしたところ当院のサイナスリフト手術の数などに大変驚かれていました
ですが、それだけ多いのには理由あります
その手術の原因の多くが前医がちゃんと患者さんに話をしてなかったり適切な治療をしていなくいよいよになり手に負えなくなってから当院に来られる方々です
もう少し前に然るべき対応(今後の見通しなどの説明)をしていればインプラント手術はともかくサイナスリフト手術までは要らなかったのではと思うケースも多くあります
正直な気持ち、サイナスリフトは患者さんにとっても大変だし、手術をする僕にとっても大変な手術なのでできることならやらずにインプラントができ美味しく食べられるようになってもらえたらと思います
いや、それ以上に歯を抜くことなんかなくご自身の歯で食べてもらえたらと思います
なのでできない先生(インプラントをやらない先生)などは大変なことになる前にご自身ができないなら紹介してほしい
患者さんもいよいよになる前にそこの歯医者ではダメだということに気づいてきてほしいと思ったりします
何もサイナスリフトに限らず当院では他院で抜かなくてはいけないと言われた(どうしようもない状態になってしまった)歯を残すための口腔外科的手術を1週間に10件以上やってます
これらの多くはもっと前に適正なことをやってくれていればやらなくて済んだケースばかりです
また、そういう「やらない先生」は何もやらないので患者さんに辛い想いもさせません
(結果的には歯がなくなり後は知りませんで患者さんは辛い思いをさせているのですが・・・)
反対にそういう歯を救わなくてはいけなくなる口腔外科では歯を残し最終的には多くの患者さんによかったと思ってもらえるのですが、でも時に嫌われます・・。
なんだかなあと思いますし、もっと前の歯医者がちゃんとしたことやっておいてよ。できないなら早く紹介してよっていう想いが時々よぎります
今年はインプラントメーカーからサイナスリフトについて東京でセミナーをやってほしいという依頼があり、現在講義内容をまとめているところです。
ちなみにこのサイナスリフトを教えている先生はほとんどがスペシャリストの大変器用な先生です
僕も多くのセミナーに行きましたがこういう先生方は僕の師匠もそうですがスペシャリストなので、その先生のやり方を真似しようとしてやると大事故が起きます
僕のやり方は僕自身はそんなスペシャリストのような器用ではないのでどうやったら事故が起きないか、確実に成功できるか頭を使い努力して編み出した方法です
サイナスリフトは相当の熟練者じゃないとできない治療です
なので誰にでもできる手術ではありませんが、少なくともそんなスペシャリストよりは僕のやり方のほうがまだできると思います
そんなことを教えられたらなあと思っています
いつまでも美味しく食べられるということは健康にも直結しますし、人生の大きな楽しみの一つになります
これからも様々な技術を磨き一人でも多くの食べられなくて困っている方々の手助けになればと思っています
お口の中のお悩み事はどんな些細なことでも構いません
お気軽にそしてお早めにご相談ください