先々週の話ですが、診療が終わりスタッフさんも帰宅した後インプラントを希望している患者さんと打ち合わせをしていました。

そうすると21時半頃突然院内の電話がなりました

話を聞くと、高校生の男の子のお母さんからの電話で、15時半位に自転車で転び上の大人の前歯をぶつけ折れたりぐらぐらしてきたとのこと

別の歯医者さんの診察を受けたが出血が止まらず血だけになって困っているとのことでした。

話を聞いているうちにいくつかこれはほっとくととんでもない状況になるのではないかと思い急遽きていただきました。

そうしたところお口の中は血だらけ

大人の歯の前歯も3～4本がグラグラでまもなく抜け落ちそうな状況でした

その後緊急に処置を行い出血も止まりました

治療が終わると患者さんのお母さんは安堵のあまり泣いていましたし、患者さんご自身も「本当に助かりました。助かりました」と何回も言っていただきました

治療が終わったのは夜の11時過ぎ。

ちょっとぐったりでしたが、お母さんや男の子の「ありがとうございました」が頑張ってよかったなあと思える瞬間でした

実際、受傷してから他の歯医者に行きそして当院に来られたためだいぶ時間が経っています

なのでできることはやりましたがこの歯が抜かずに済むかは経過を見ていかないとなんとも言えません

そして思うのは外傷はしょうがないことです

誰にも起こりうることです

問題は二つです

①かかりつけ医の対応

この方はまず近隣のかかりつけ医に電話をしたところ診療終了間近だったので受付の方から明日きてくださいと言われたとのこと

あのまま明日まで待ってたら間違いなく前歯4本無くなり入れ歯になってました

しかし、こういうことはよく歯医者で起こります

受付の方はその医院でその医院の指導を受けています

ですが、実際にはそこまでお口の中のことはわからないことがほとんどです

今回のケースも歯科医師が話を聞いていたら明日の朝まで置いておいたら大変なことになるとわかったはずです

（少なくとも僕はすぐわかりました）

当院では同じようなことにならないよう対策をとっていますが今後も当院においてそのようなことが起こらないようにしなくてはとあらためて思いました

　そして何よりまずいのが対応した歯医者の治療が全然ダメということです

外傷には外傷のやり方があります

それを間違えるとこういう大変な事態が起きてきます

それが全然違うことをやってしまっています

そのため実際できるだけのことをしましたがこの方の歯が残るかはまだわかりません

（可能性としては残る可能性は50%くらいではないかと思っています）

ですが、もしこの方がそこで間違った治療を受けずすぐにきてくれていたら助かったのではないかと思います

（外傷は起きてからの時間が大切です）

そしてこの先生ができないということですぐに僕のようにできる先生に紹介くれていればこんなことにはならなかったのじゃないかなと少し憤りを感じます

以前から言っているように、お子さんのお口の中は「将来の財産」です。

大切なものです

もしこの方の前歯が残らず入れ歯でいかなくてはいけなくなってしまったら・・・

もちろん僕の治療も絶対ではありませんし、うまくいかないこともあるかもしれません。

うまくお伝えできなかったこととかもあると思います。

ただなんというか・・・・

当院にいらっしゃった時この方のお口の中は血だらけでした

歯科医師としてこのような時の対応は必須ですしそのための技術を身に付けていなくてはいけないと思いますし、できないのであればできないのであればすぐ紹介して欲しいと思うのです

最近こういうことが多発しています

これくらいの時間までそのフォローをしなくてはいけないことも多々あります

色々と思ってしまいます

翌日その男の子の傷は落ち着き出血もなくなったということで消毒にいらっしゃいました

たまたまその時５年前同様に転んで前歯が抜け対応した男性の方（当時高校生）がメインテナンスに来ていただきその方とすれ違いました

この男性の方は５年経っても当時戻した歯がちゃんと残っています

（本人たちはもちろん他人同士ですが）

そんなことを思うとどこで何をやるかは本当に大切なだあと思う瞬間でした

それから二週間たちこの男の子の歯はまだ確実ではありませんが少しずつくっつき始めている感じがあります

本当に良かったなあと思っています

お口の中のお悩み事はどんな些細なことでも構いません

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