先日東京にてとある有名大学口腔外科教授の講義を受講させていただきました
内容は様々なお病気を持った方々に対しての歯科治療の仕方でした
歯科治療には「ガイドライン」というものがあります
ガイドラインとはルールブックのようなもので、この時はこのように治療しなさいという決まりです
今回ご教示いただいた教授はまさにそのガイドラインを作った先生です
その講義は大変わかりやすく、どういう研究によりガイドラインができたのかなどなども含め一つ一つ丁寧に教えていただきました
その教授曰く
「現在歯科難民。治療難民。抜歯難民が急増しています」
ということをおっしゃっていました
血液サラサラにするお薬を飲んでるから治療ができません
骨粗鬆症の骨の薬を飲んでるから治療ができません
病気があるので治療ができません
こういう歯医者が多すぎる
「治療をしないリスク」つまり悪い歯をそのままにしておいてさらに悪化した時に起こる危険性をしっかり理解し(これはとんでもないリスクですとおっしゃっていました)、正しい知識を持ちしっかりと治療をしてください。
またガイドライン(ルール)がある以上できませんは許されないし、もしやらないで大変なことになり訴訟になったら負けますよ。という強いメッセージを発信されてました
これは本当にその通りです
これで思い出したのはまさに先週の話です
当院に通院している患者さんからご相談をされました
相談内容はこの方のお父様の件でしたが、近隣のとある歯医者に行ってるけれども、血液をサラサラにするお薬を飲んでるので治療はできないと言われブラッシングしかしてもらえない。そうするとどんどん虫歯が進み歯がかけたり腫れたりして食べられなくなってきている。治療は本当にできませんか?という相談でした
そんなことはない旨、また放置しておくとより大変なことになる旨を説明したところ当院での治療を希望されみさせていただきました
みてがっかり・・・
お口の中は虫歯などで大変な状態
加えて全然治療ができる状況(治療においてほぼ全くリスクのない状況)でした
ここの歯医者に限らずこの辺りはこんなことばかりです
そしていよいよ大変なことになり当院に転院されてくるかたが大勢いらっしゃいます
この教授もおっしゃっていましたが、僕たちは歯科医師です
医者です
血液サラサラのお薬を飲んでるからできない
骨粗鬆症のお薬を飲んでるからできない
病気を持ってるからできない
は許されません
なぜならちゃんと歯科治療には「ガイドライン」があるわけなのでそれをしっかり勉強しそれに基づいてやるべきです
保険外の高い白い歯を入れるばかりが歯科医師ではありません
本来こういう病める方々を治すのが(歯科)医師であるわけです
「歯科難民。治療難民。抜歯難民」
困ったものです
確かに国もこのことを理解していて、今回の保険の改定ではそういうことをちゃんとやってる歯医者に対し手厚い保険報酬にするようにしてきています
当院ではそういうことは当たり前にやっていたので何も感じていませんでしたが、実際にこのことが大きな問題になってるということを改めて実感しました
歯科の勉強会に出ると「高い白い歯を入れる勉強会」には多くの先生が参加されています
ですがこういう勉強会の参加者は少ないのが現状です
今一度歯科医師みんなが「歯医者難民。治療難民。抜歯難民」を減らすよう勉強する歯科界になればと思っています
そして今回の講義で改めて思ったのは2点です
①正しい知識と技術を持つことの大切さ
有病者の方の治療をする際、お口の中が清潔な状態で治療をすることは必須です
お口の中が汚い状態でやると血が止まらなかったり、強い腫れや痛みが治療後でたり等等様々な問題が起こってきます
なので衛生士さんにしっかりケアをしてもらいいい状態でやることが安全な治療ができる絶対条件です
反対に衛生士さんがいっぱいない歯医者ではそのような有病者の治療を安全にできないと言っても過言ではありません
これからも当院では1人でも多くの「歯医者難民。治療難民。抜歯難民」を減らすとができるよう努力してまいりたいと思います
お口の中のお悩み事はどんな些細なことでも構いません
お気軽にご相談ください
それにしても今年は本当にいい勉強がいっぱいできてます
大変嬉しいことです